発泡素材でできた塀と聞いて、最初に浮かぶのは「大丈夫なのか」という疑問だと思います。梱包材のイメージがあるので、当然の反応です。
実際によくいただく心配ごとに、ひとつずつお答えします。都合の悪いところも隠さずに書きます。
この記事の要点
・飛ぶかどうかを決めるのは素材の重さではなく、基礎と本体の固定
・地震で受ける力は重さに比例するので、軽さは有利に働く
・車両の接触・重機の出入り・土留めの用途には向かない
風で飛ばないのですか?
飛びません。飛ぶかどうかを決めるのは素材の重さではなく、基礎と本体の固定です。芯材の中に構造材を通し、基礎に固定します。
いちばん多いご質問です。
軽いものは飛ぶ、というのは直感として正しいのですが、塀の場合は少し事情が違います。飛ぶかどうかを決めるのは、素材の重さではなく、基礎と本体がどう固定されているかです。
M Art Wall は、芯材の中に構造材を通し、基礎に固定します。本体が軽いことと、地面に留まる力は別の話です。
耐風圧については第三者機関による検証を行っています。検証の条件は仕様によって異なるため、具体的な数値は現場の条件と合わせてお伝えしています。
地震に弱くないのですか?
むしろ有利に働きます。地震で構造物にかかる力は、その物の重さに比例します。軽い塀は受ける力そのものが小さくなります。
ここは、軽さがはっきり有利に働く部分です。
地震で構造物にかかる力は、その物の重さに比例します。重い塀ほど大きな力を受けます。ブロック塀の倒壊事故が問題になったのは、重さが直接、被害の大きさにつながるからです。
軽い塀は、そもそも受ける力が小さくなります。そして万一のときに、倒れたものの重さそのものが違います。
耐震についても第三者機関による検証を行っています。検証条件は仕様により異なります。
ぶつけたら凹みませんか?
日常的に触れる程度では凹みません。ただしコンクリートと同じ耐衝撃性はなく、車や重機が当たれば損傷します。この点はコンクリートのほうが強いです。
これは、正直にお答えします。
表面は、モルタルなどで仕上げています。日常的に触れたり、物が軽く当たったりする程度で凹むことはありません。
ただし、コンクリートと同じ耐衝撃性があるわけではありません。車をぶつけた、重機が当たった、といった強い衝撃を受ければ損傷します。この点はコンクリートのほうが強いです。
逆に言えば、損傷したときの補修はしやすい構造です。部分的に直せます。
ホームセンターの材料で自作できませんか?
屋外に長く置く塀としては勧められません。保護されていない発泡素材は紫外線で劣化し、風を受ける面積に対して固定が追いつかないためです。
「発泡スチロール 塀」で調べると、DIYの情報が多く出てきます。実際、断熱材用の発泡ブロックを使って自作する方はいます。
短期間の仕切りや、装飾としてであれば成立します。屋外に長く置く塀としては、次の点が問題になります。
- 紫外線で表面が劣化する(保護しない発泡素材は屋外で持ちません)
- 風を受ける面積に対して、固定の方法が追いつかない
- 表面の仕上げが割れて、そこから水が入る
M Art Wall が違うのは、芯材そのものではなく、その周りの構成です。構造材、表層、基礎への固定までを一体で設計しています。素材が同じでも、構造が違います。

どのくらい持ちますか?
表面の仕上げは一般的な外構と同じく塗り替えの時期が来ます。芯材は表層で保護されている限り劣化しません。
表面の仕上げは、塗り替えの時期が来ます。これは一般的な外構と同じです。日当たりや海からの距離で変わりますが、屋外にある以上、経年はします。
芯材は、表層で保護されている限り劣化しません。紫外線と水が届かないためです。裏を返せば、表層のひび割れを放置すると寿命が縮みます。定期的に表面を見ていただくのが、いちばん確実な手入れです。
汚れやすくないですか?
表面の仕上げ次第です。凹凸の大きい意匠は雨だれの跡が残りやすくなります。素材ではなく意匠の選び方の話です。
表面の仕上げ次第です。凹凸の大きい意匠は、雨だれの跡が残りやすくなります。これは素材ではなく、意匠の選び方の話です。
道路に面する面や、雨がかりの強い面は、汚れが目立ちにくい仕上げを選ぶという考え方があります。設計の段階でご相談ください。
軽いと何が良いのですか?
高さが出せること、基礎が小さくて済むこと、複雑な形がつくれることの3つです。いずれも軽さから来ています。
ここまで心配ごとに答えてきましたが、軽さは我慢すべき欠点ではありません。軽いからできることがあります。
高さが出せる
ブロック塀は法律で2.2mが上限です。重さがあるので、高くするほど危険が増すためです。軽い構造なら、この前提が変わります。ブロック塀では届かない高さの意匠塀をつくれます。
基礎が小さくて済む
載る重さが小さいので、基礎に求められる大きさが変わります。敷地に食い込む幅が減ります。
複雑な形がつくれる
発泡素材は削って形をつくれます。コンクリートでは型枠が必要になるような曲面や凹凸も、意匠として成立します。
どんな場所には向きませんか?
車両が接触しうる場所、重機が頻繁に出入りする場所、土圧を受ける土留めの用途には向きません。M Art Wall は土を留める構造物ではなく意匠塀です。
最後に、正直に書いておきます。
車両が接触する可能性が高い場所、重機が頻繁に出入りする場所には向きません。擁壁のように土圧を受ける用途にも使えません。M Art Wall は土を留める構造物ではなく、意匠塀です。
用途 | 向き |
|---|---|
意匠塀・目隠し | 向く |
ブロック塀では届かない高さ | 向く |
曲面や凹凸のある意匠 | 向く |
車両が接触しうる場所 | 向かない |
重機が頻繁に出入りする場所 | 向かない |
土圧を受ける土留め | 向かない |
向かない場所は、はじめから別の工法をお勧めしています。
よくある質問
発泡素材の塀は風で飛びませんか?
飛ぶかどうかを決めるのは素材の重さではなく、基礎と本体の固定です。M Art Wall は芯材の中に構造材を通し、基礎に固定します。耐風圧については第三者機関による検証を行っています(検証条件は仕様により異なります)。
地震に弱くありませんか?
軽さは地震にはむしろ有利に働きます。地震で構造物にかかる力はその物の重さに比例するため、軽い塀は受ける力そのものが小さくなります。耐震についても第三者機関による検証を行っています(検証条件は仕様により異なります)。
ぶつけたら凹みませんか?
日常的に触れたり物が軽く当たったりする程度では凹みません。ただしコンクリートと同じ耐衝撃性はなく、車や重機が当たれば損傷します。この点はコンクリートのほうが強く、逆に損傷した際の部分補修はしやすい構造です。
ホームセンターの材料で自作できますか?
屋外に長く置く塀としては勧められません。保護されていない発泡素材は紫外線で劣化し、風を受ける面積に対して固定が追いつかず、表面の仕上げが割れるとそこから水が入ります。違いは素材ではなく、構造材・表層・基礎への固定を含めた構成にあります。売り場で買える板と塀に使う発泡構造物の違いは、発泡スチロールの塀はホームセンターで買える?で詳しく説明しています。
どんな場所には向きませんか?
車両が接触しうる場所、重機が頻繁に出入りする場所には向きません。土圧を受ける土留めの用途にも使えません。M Art Wall は土を留める構造物ではなく意匠塀です。
まとめ
発泡素材の塀は、軽さを弱点として抱えているのではなく、軽さを目的として設計されています。高さが出せること、基礎が小さいこと、形が自由なこと。これらは全部、軽さから来ています。
一方で、強い衝撃には弱く、土圧を受ける用途には使えません。向き不向きははっきりしています。
ご検討中の場所が向いているかどうかは、写真と条件を見せていただければ判断できます。向いていない場合は、そうお伝えします。設置できるか・どんな意匠にできるか、まずご相談ください。ご相談は無料です。

