古いブロック塀を前にして、そろそろ何とかしたいと思いながら、何から手をつければいいかわからない。よくあるご相談です。
手順としては、点検、判断、支援制度の確認、そして新しい塀の計画という順になります。順を追って見ていきます。
この記事の要点
・点検の着眼点は傾き・ひび割れ・鉄筋の露出・ぐらつき・控え壁の有無の5つ
・支援制度は工事の前に申請するのが条件。先に撤去すると対象外になる
・撤去は、工法そのものを見直せる機会でもある
古いブロック塀のどこを点検すればよいですか?
傾き・ひび割れ・鉄筋の露出・ぐらつき・控え壁の有無の5点です。ひとつでも当てはまれば専門家に見てもらってください。
専門家に見てもらう前に、自分で確かめられることがあります。国土交通省が示している点検の観点をもとに、外から見てわかるものを挙げます。
傾いていないか
塀から少し離れて、上端のラインを見ます。まっすぐ通っているか、どこかで折れていないか。糸を垂らして垂直と比べると、わずかな傾きも見えます。傾きは、基礎か地盤に問題がある合図です。
ひび割れがないか
特に注意して見るのは、縦に走るひびと、階段状に走るひびです。横方向の細いひびより、こちらのほうが構造に関わります。ひびから錆が滲んでいる場合、内部の鉄筋が腐食している可能性があります。
鉄筋が見えていないか
角が欠けたり表面が剥がれたりして、中の鉄筋が露出していないか。露出した鉄筋は錆びて膨らみ、周囲のコンクリートをさらに押し割ります。放っておくと進行します。
ぐらつかないか
手で押してみて、動く感触があるか。わずかでも揺れるなら、危険な状態です。

控え壁があるか
高さが1.2mを超えているのに、塀の面から直角に突き出す支えが見当たらない場合、現在の基準を満たしていません。古い塀では、そもそも設けられていないことがあります。
見るところ | 危険を示す状態 |
|---|---|
傾き | 上端のラインが通っていない |
ひび割れ | 縦・階段状のひび、錆汁がにじむ |
鉄筋 | 欠けや剥がれから露出している |
ぐらつき | 手で押すと動く |
控え壁 | 1.2mを超えるのに見当たらない |
どの寸法を測っておくべきですか?
地盤面からの高さ(低いほうの地面から)、塀の厚さ、控え壁がある場合はその間隔と突き出しです。
点検と合わせて、寸法も測っておきます。
- 地盤面からの高さ(低いほうの地面から測る)
- 塀の厚さ
- 控え壁がある場合、その間隔と突き出し
現在の基準では、高さは2.2mまで、1.2mを超えるなら控え壁を3.4m以下の間隔で、塀の高さの1/5以上突き出させることになっています。厚さは高さ2.0m以下で10cm以上、2.0mを超えるなら15cm以上です。
古い塀がこれを満たしていないことは珍しくありません。建てられた当時の基準が違ったためです。
撤去に使える支援制度はありますか?
多くの自治体が設けています。名称は「ブロック塀等撤去」「ブロック塀等安全対策」「ブロック塀等除却」など自治体ごとに異なるため、市区町村名と合わせてお調べください。
2018年の大阪府北部地震で塀の倒壊による事故が起きて以降、多くの自治体が撤去や改善を支援する制度を設けています。
制度の名称は自治体によってばらばらです。「ブロック塀等撤去」「ブロック塀等安全対策」「ブロック塀等除却」など、呼び方が違います。お住まいの市区町村名と合わせて調べるのが確実です。
対象になる条件も自治体ごとに異なりますが、共通して見られるのは次のような観点です。
- 道路や通学路に面していること
- 地面からの高さが一定以上あること(1mや0.8mを基準にしている例が多く見られます)
- 倒壊の危険があると判断されること
制度によっては、撤去だけでなく、その後に軽いものを新しく設ける工事まで対象に含めている例もあります。大阪市のように、撤去と軽量なフェンス等の新設の両方を支援対象としている自治体があります。
ここは金額も条件も自治体ごとに大きく違うので、一般論では判断できません。市区町村の窓口か公式サイトで直接お確かめください。
先に撤去してもよいですか?
いけません。多くの自治体で、支援制度は工事の前に申請することが条件です。先に撤去すると後から申請しても対象外になります。
これは見落とされがちですが、重要な点です。
多くの自治体で、支援制度は工事の前に申請することが条件になっています。先に撤去してしまうと、後から申請しても対象外になります。
危険な状態で急ぎたい気持ちはあると思いますが、まず窓口に連絡してください。緊急性が高い場合の扱いを教えてもらえることがあります。
建て替えるなら同じブロック塀でよいですか?
重さと高さの制約は建て直しても変わりません。年月が経てばまた同じ点検が必要になり、2.2mを超えられないので目隠しとして物足りなかった塀は物足りないままです。
撤去した後、同じようにブロック塀を建て直すのか、別の選択をするのか。ここで考えておきたいことがあります。
ブロック塀は重い構造物です。建て直しても、重さという性質は変わりません。年月が経てば、また同じ点検が必要になります。
それと、高さの制約も同じままです。2.2mを超えられないので、目隠しとして物足りなかった塀は、建て直しても物足りないままです。
M Art Wall は、発泡素材を芯材にした特殊発泡構造物です。重さがコンクリートとまったく違うため、ブロック塀では届かない高さの意匠塀をつくることができます。耐風圧と耐震については、第三者機関による検証を行っています。検証条件は仕様により異なります。
撤去のタイミングは、塀そのものを見直せる機会でもあります。

よくある質問
古いブロック塀のどこを見ればよいですか?
傾き、ひび割れ、鉄筋の露出、ぐらつき、控え壁の有無の5点です。上端のラインが通っていない、縦や階段状のひびがある、欠けから鉄筋が見えている、手で押すと動く、1.2mを超えるのに控え壁が無い。ひとつでも当てはまれば専門家に見てもらってください。
ブロック塀の撤去に支援制度はありますか?
多くの自治体が制度を設けています。名称は「ブロック塀等撤去」「ブロック塀等安全対策」「ブロック塀等除却」など自治体ごとに異なります。対象条件も違うため、お住まいの市区町村の窓口か公式サイトでお確かめください。
撤去してから申請してもよいですか?
多くの自治体で、支援制度は工事の前に申請することが条件です。先に撤去すると後から申請しても対象外になります。危険な状態で急ぎたい場合も、まず窓口へご連絡ください。
建て替えるなら同じブロック塀でよいですか?
重さと高さの制約は建て直しても変わりません。年月が経てばまた同じ点検が必要になり、2.2mを超えられないので目隠しとして物足りなかった塀は物足りないままです。撤去は工法そのものを見直せる機会でもあります。
手順のまとめ
- 傾き、ひび、鉄筋の露出、ぐらつき、控え壁の有無を確認する
- 高さと厚さを測る
- 市区町村名と「ブロック塀 撤去」で支援制度を調べる
- 撤去する前に窓口へ相談する
- 新しい塀は、重さと高さの制約から考え直す
なお、当社は製造・販売元であり、撤去や設置の工事は各地の取扱店が行います。どんな塀にできるか、どのくらいの高さが取れるかについては、当社で直接お答えできます。
現地の写真と、おおよその長さ・高さがわかれば、具体的にお話しできます。設置できるか・どんな意匠にできるか、まずご相談ください。ご相談は無料です。

