ブロック塀の高さを調べていると、「何段まで積めるのか」という言い方によく出会います。現場では段数で数えるほうが早いからです。
ただ、法律が定めているのは段数ではなく高さです。そして、その高さをどこから測るかが、土地の形によって変わります。ここを取り違えると、完成してから基準を超えていた、ということが起こります。
この記事の要点
・1段の目安はおよそ20cm。鉄筋で補強したブロック塀は、6段(1.2m)を超えると控え壁が要り、仕様どおりに建てるなら11段(2.2m)が上限
・法律が見ているのは段数ではなく高さ。基礎の見えている部分も高さに入る
・高低差があれば、低いほうから測るのが安全。建築基準法施行令の塀の条文はどちら側から測るかを書いておらず、日本建築防災協会などの案内による
ブロック塀は何段まで積めますか?
鉄筋で補強したブロック塀なら、11段(およそ2.2m)が仕様どおりに建てる場合の上限です。1段の目安はおよそ20cmです。鉄筋の入っていないブロック塀は組積造の塀にあたり、高さ1.2m(およそ6段)以下でなければなりません(建築基準法施行令第51条・第61条)。
国土交通省のブロック塀のページが紹介する日本建築防災協会のチラシは「ブロック塀の1段の目安は20㎝です」としています。寸法は一つではないので、段数は目安です。
これを建築基準法施行令第62条の8(補強コンクリートブロック造の塀)の数字に当てはめると、次のとおりです。
段数 | おおよその高さ | 節目 |
|---|---|---|
2段 | 40cm | |
6段 | 1.2m | これを超えると控え壁が要る |
10段 | 2.0m | これを超えると厚さ15cm以上 |
11段 | 2.2m | 仕様どおりの上限 |
上限の2.2mは、11段でちょうど届く計算です。ただし第62条の8 は、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算で構造耐力上安全であることが確かめられた場合を「この限りでない」としています。
そして6段、つまり1.2mを超えると、長さ3.4m以下ごとに、径9mm以上の鉄筋を入れ、基礎の部分で壁面から高さの1/5以上突き出した控え壁が必要です(第62条の8 第五号)。
鉄筋の入っていないブロック塀は、国土交通省の点検のチェックポイントでも組積造の塀の欄に入り、「塀の高さは地盤から1.2m以下か」と確かめます。

高さで変わる補強コンクリートブロック造の塀の決まり
今の建築基準法施行令第62条の8 の各号
- 第1号高さは2.2m以下
- 第2号壁厚は15cm以上。高さ2m以下の塀は10cm以上
- 第3号頂部と基礎には横に、端部と隅角部には縦に、径9mm以上の鉄筋
- 第4号塀の中に、径9mm以上の鉄筋を縦横80cm以下の間隔で
- 第5号長さ3.4m以下ごとに、径9mm以上の鉄筋を配置した控え壁で、基礎の部分で壁面から高さの1/5以上突き出したもの
- 第6号第3号・第4号の鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げ、縦筋は頂部と基礎の横筋に、横筋は縦筋にかぎ掛けして定着。縦筋を径の40倍以上基礎に定着させる場合は、基礎の横筋へのかぎ掛けは不要
- 第7号基礎の丈は35cm以上、根入れの深さは30cm以上
国土交通大臣が定める基準に従った構造計算で構造耐力上安全であることを確かめた場合は、この限りではありません(第62条の8 柱書のただし書き)。
寸法は見やすくするための表現で、実寸の比ではありません。
基礎の分は塀の高さに入りますか?
地面の下に埋まっている部分は入りません。ただし基礎が地面から出ていれば、その出ている部分は高さに含まれます。
塀の高さは、地面から測ります。国土交通省のチェックポイントは塀の高さを「地盤から」確かめ、広島市は第62条の8 の取扱いで「ブロック塀の高さは、ブロック塀が接する地面から上端までとする」と定めています。
基礎の立ち上がりを20cm見せる設計なら、その20cmは塀の高さの一部です。ブロック10段に基礎20cmなら、合計2.2mでぎりぎりということになります。段数だけ数えていると、この分を見落とします。
高低差がある土地では、どちらから測りますか?
低いほうから測るのが安全です。建築基準法施行令の塀の条文(第61条・第62条の8)は、どちら側から測るかを書いていません。日本建築防災協会のチラシや一部の自治体が、低い側から測るよう案内しています。自分の側から1.7mでも、隣が50cm低ければ、低い側からは2.2mです。
日本建築防災協会のチラシは「塀の両側で地面の高さが異なる場合は、安全側の判断として地面の低い側から塀の頂部までの高さを測りましょう」とし、広島市は「ブロック塀の両面に高低差がある場合は、低位の地面からの高さとする」と定めています。
擁壁の上に塀を建てる場合は、擁壁と塀を合わせた高さで見られることがあります。擁壁の高さや塀の基礎の位置で扱いが変わることがあるので、高低差のある土地では事前に建築指導課へ確認しておくのが確実です。
段数で高さが足りないときはどうしますか?
構造計算で安全を確かめるか、工法を変えることになります。鉄筋で補強したブロック塀も、仕様どおりなら2.2mが上限だからです。
11段まで積んでも高さが足りない、という場面はあります。特に高低差のある土地では、低い側から測る分だけ、自分の側で使える高さが減ります。
隣の敷地が50cm低ければ、自分の側から見た高さは1.7m程度にとどまります。目隠しとしては物足りない高さです。
こうなると、仕様どおりのブロック塀では足りません。構造計算で安全を確かめる道(第62条の8 のただし書き)か、工法を変える道になります。
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段数を決める前に何を確認すべきですか?
基礎を地面からどれだけ出すか、隣地や道路との高低差、そして控え壁の出っ張りを置く余地があるかの3点です。
- 基礎を地面からどれだけ出すか(その分は高さに入る)
- 隣地や道路との高低差があるか(低い側から測るのが安全)
- 鉄筋で補強したブロック塀で1.2mを超えるなら、控え壁の出っ張りを置く余地があるか
特に3つめは、駐車スペースや通路を計画に入れていると効いてきます。鉄筋で補強したブロック塀の控え壁は、径9mm以上の鉄筋を入れ、基礎の部分で壁面から高さの1/5以上突き出したもの(第62条の8 第五号)なので、その幅が敷地から引かれます。2.2mの塀なら44cm以上です。
よくある質問
ブロック塀は何段まで積めますか?
鉄筋で補強したブロック塀なら、11段でおよそ2.2mが、仕様どおりに建てる場合の上限です(建築基準法施行令第62条の8。国土交通大臣が定める基準に従った構造計算で安全を確かめた場合を除く)。1段の目安はおよそ20cmです(日本建築防災協会のチラシ)。鉄筋の入っていないブロック塀は組積造の塀にあたり、高さ1.2m以下でなければなりません(建築基準法施行令第51条・第61条)。
何段目から控え壁が必要になりますか?
鉄筋で補強したブロック塀なら、6段を超えたところからです。建築基準法施行令第62条の8 は、1.2mを超える塀に、長さ3.4m以下ごとに、径9mm以上の鉄筋を入れ、基礎の部分で壁面から高さの1/5以上突き出した控え壁を求めています(国土交通大臣が定める基準に従った構造計算で安全を確かめた場合を除く)。1.2mはおよそ6段にあたります。
基礎の分は塀の高さに入りますか?
地面の下に埋まっている部分は入りません。ただし基礎が地面から出ている場合、その出ている部分は高さに含まれます。国土交通省のチェックポイントは塀の高さを「地盤から」確かめ、広島市は第62条の8 の取扱いで「ブロック塀が接する地面から上端まで」としています。
高低差がある土地では、どちらから高さを測りますか?
低いほうから測るのが安全です。建築基準法施行令の塀の条文(第61条・第62条の8)は、どちら側から測るかを書いていません。日本建築防災協会のチラシは安全側の判断として低い側から測るよう案内し、広島市は低位の地面からの高さとする取扱いを定めています。自分の敷地が隣より50cm高い場合、自分の側から1.7mの塀でも、低い側から測れば2.2mです。
1日に何段まで積めますか?
段数ではなく高さで決まっています。国土交通省の公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版は、補強コンクリートブロック造の1日の積上げ高さの上限を1.6m程度としています。高さ2.2m以下の塀にも同じ数字が適用されます(8.3.6 が 8.2.7 によるとしている)。ブロック1段の高さは製品で違うので、段数への換算は本文では行いません。これは公共工事の仕様であり、建築基準法施行令が1日当たりの高さを定めているわけではありません。
まとめ
段数はあくまで目安で、法律が見ているのは高さです。1段の目安はおよそ20cm。鉄筋で補強したブロック塀は6段を超えたら控え壁、仕様どおりなら11段で上限。そして高低差があれば、低いほうから測るのが安全です。
この4つを押さえておくと、計画の途中での作り直しを防ぎやすくなります。
高低差のある土地で、どこまでの高さが取れるか。図面や現地の写真があれば、具体的にお話しできます。設置できるか・どんな意匠にできるか、まずご相談ください。ご相談は無料です。

