「発泡スチロールの塀」と検索すると、ホームセンターの発泡板が出てくることがあります。軽くて加工しやすく、その場で買えるので、自分で立てられそうに見えます。
結論から言うと、売り場の発泡板と、塀に使う発泡構造物は別のものです。ここでは何がどう違うのかを、正直にお答えします。
この記事の要点
・売り場の発泡板は梱包材・断熱材。屋外にそのまま立てるためのものではない
・塀に使う発泡構造物は、芯材を表層で包んで屋外に出せる状態にしている
・軽さの意味は「持ち運べる」ことではなく、足元にかかるものが小さいこと
ホームセンターの発泡スチロールで塀はつくれますか?
屋外に立てる塀としては向きません。売り場にある発泡板は、梱包や断熱のためにつくられたもので、日射と雨に直接さらされ続けることを前提にしていないためです。
加工のしやすさは同じでも、想定している使われ方が違います。

何が違うのですか?
大きくは、表層があるかどうかです。
売り場の発泡板 | 塀に使う発泡構造物 | |
|---|---|---|
想定する使い方 | 梱包・断熱・工作 | 屋外に立てる意匠塀 |
表層 | なし(芯材がむき出し) | あり(芯材を包む) |
据え方 | 置くだけ | 下地に固定する |
見た目 | 白い板のまま | 石材やタイル調に仕上げる |
発泡素材は、それ自体が悪いわけではありません。むき出しのまま屋外に置くことが向いていないのです。表層で包むことで、外から受けるものを表層が引き受け、内側の芯材が形を保つ役割に専念できます。
自分で立てることはできますか?
板を立てるだけなら、風で動きます。軽いということは、そのまま置いただけでは安定しないということでもあります。
塀として立てるには、下地に固定する必要があります。どのくらいの固定が要るかは、高さ・長さ・その場所の風の条件で変わります。発泡構造物を扱う場合も、この点はブロック塀と変わりません。
当社は製造・販売元で、工事を請け負う立場ではありません。据え方については、外構を手がける事業者と一緒に考えることになります。
軽いと何が良いのですか?
運びやすさよりも、足元にかかるものが小さいことのほうが効きます。塀の高さは、突き詰めれば重さの問題だからです。
ブロック塀の高さが施行令 第62条の8 で2.2mまでと定められているのは、重い構造物が倒れたときの危険が大きいからです。高さを上げるなら厚さと控え壁で受け止めなさい、というのが条文の考え方です。詳しくは塀の高さの記事にまとめました。
足元にかかるものが変われば、この前提が変わります。次のような場面で効いてきます。
- 擁壁の上など、これ以上重さを足せない場所
- ブロック塀では届かない高さの目隠しが要る場面
- 控え壁の出っ張りを敷地に置く余裕がない狭い敷地
向いていない場面はありますか?
あります。土を留める用途には使えません。背後の土を押さえるのは擁壁の仕事で、まったく別の構造です。
また、車がぶつかる可能性のある位置や、常に人が寄りかかる場所も、設計の前提から外れます。何のために立てるのかによって、向く工法は変わります。
心配ごとについては発泡スチロールの塀、心配なところに答えますで、風・地震・衝突の順にお答えしています。
M Art Wall について
M Art Wall は、発泡素材を芯材にした特殊発泡構造物です。芯材を表層で包む構成で、石材やタイルのような意匠を持たせながら、足元にかかるものを抑えています。
当社は製造・販売元です。工事は各地の外構事業者と組んで進める形になります。
よくある質問
ホームセンターの発泡スチロールで塀はつくれますか?
屋外に立てる塀としては向きません。売り場の発泡板は梱包材や断熱材としてつくられており、日射と雨に直接さらされ続けることを想定していないためです。塀に使う発泡構造物は、芯材を表層で包んで屋外に出せる状態にしています。
発泡スチロールの塀は風で飛びませんか?
置くだけなら動きます。塀として立てるには下地に固定する必要があり、どのくらいの固定が要るかは高さ・長さ・その場所の風の条件で変わります。この点はブロック塀と同じ考え方です。
発泡の塀は土留めに使えますか?
使えません。背後の土を押さえるのは擁壁の役目で、まったく別の構造です。土を留めるものは建築基準法施行令 第142条の技術的基準の対象になり、高さ2mを超えると確認申請も必要になります。
軽いことに何の意味がありますか?
足元にかかるものが小さくなることです。塀の高さの制限は重さと表裏一体で、施行令 第62条の8 が高さを上げるほど厚さと控え壁を求めているのもそのためです。足元の前提が変われば、選べる高さや形の幅が変わります。
まとめ
- 売り場の発泡板は梱包材・断熱材。屋外の塀の材料ではない
- 塀に使う発泡構造物は、芯材を表層で包んでいる
- 軽くても、置くだけでは立たない。下地への固定が要る
- 土を留める用途には使えない
- 軽さが効くのは、重さを足せない場所と、高さが要る場面
「発泡スチロール」という同じ言葉でも、売り場のものと塀に使うものは役割が違います。どちらが良いかではなく、何に使うかで分かれます。
どんな場所に、どのくらいの高さで立てたいか。図面や現地の写真があれば、より具体的にお話しできます。設置できるか・どんな意匠にできるか、まずご相談ください。ご相談は無料です。

