住宅を対象とした侵入窃盗は、令和7年に1万7,152件と、前年より7.2%増えました。一戸建住宅の空き巣8,214件のうち、5,006件は窓から入られています。手段で多いのはガラス破りと無締りです。
この記事の要点
・令和7年の住宅対象の侵入窃盗は1万7,152件(前年比+7.2%)。住宅対象には老人ホーム・介護、障害者施設等も含まれる
・一戸建住宅の空き巣8,214件のうち、窓から5,006件(うちガラス破り3,577件)、表出入口から1,340件(うち無締り764件)
・警視庁の防犯環境設計では、塀・柵の設置は「接近の制御」、丈夫な錠や防犯ガラスは「対象物の強化」で、組み合わせが重要とされる
住宅をねらう侵入窃盗は増えていますか?
令和7年は増えました。警察庁の統計資料の図表1-2-4-2では、住宅対象の侵入窃盗の認知件数は、令和6年の1万6,000件から令和7年は1万7,152件になりました。侵入窃盗全体も4万3,036件から4万7,233件です。前年比は、住まいる防犯110番が住宅対象で+7.2%、全体で+9.8%としています。
区分 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|
侵入窃盗(全体) | 43,036件 | 47,233件 |
うち住宅対象 | 16,000件 | 17,152件 |
住宅対象のうち空き巣 | 11,048件 | 11,684件 |
住宅対象のうち忍込み | 4,122件 | 4,784件 |
住宅対象のうち居空き | 830件 | 684件 |
表の注には「住宅対象には一戸建住宅、中高層(4階建以上)住宅、その他の住宅のほか老人ホーム・介護、障害者施設等を含む」とあります。内訳では空き巣と忍込みが増え、居空きは減りました。長期の傾向について、住まいる防犯110番は住宅対象の侵入窃盗を「平成16年からおおむね減少傾向にあるものの」としており、図表1-2-4-2の平成28年は3万9,249件です。
一戸建ての空き巣は、どこから入っていますか?
窓からが最も多く、8,214件のうち5,006件です。統計資料の図表2-2-1-5は、令和7年の空き巣・忍込み・居空きを、発生場所・侵入口・侵入手段の別に数えています。一戸建住宅の空き巣を抜き出すと次のとおりです。
侵入口 | 件数 | うちガラス破り | うち無締り |
|---|---|---|---|
窓 | 5,006件 | 3,577件 | 1,097件 |
表出入口 | 1,340件 | 93件 | 764件 |
その他の出入口 | 921件 | 269件 | 395件 |
残りは「その他」224件、非常口6件、不明717件です。窓ではガラス破りが、表出入口では無締りが最も多い手段でした。一戸建住宅の空き巣全体では、ガラス破りが4,068件、無締りが2,542件です。
塀ではできないことは何ですか?
鍵を掛けることと、窓やドアを破られにくくすることです。警察の資料は、どちらも塀とは別の対策として挙げています。住まいる防犯110番は無締りについて「どんなに強固な防犯対策をとっても、無締りでは意味がありません」とし、ガラス破りやドア錠破りには防犯性能の高い建物部品(CP部品)の活用を挙げています。警視庁の「防犯環境設計による防犯対策」は、丈夫な錠や防犯ガラスなどで対象物を破壊に強くすることを「対象物の強化」と呼び、塀・柵の設置を含む「接近の制御」とは別の手法にしています。そのうえで、4つの手法を「総合的に組み合わせることが重要です」としています。
CP部品とは何ですか?
平成14年11月25日に警察庁が国土交通省・経済産業省や建物部品関係の民間団体とともに設置した官民合同会議が、「侵入までに5分以上の時間を要する」など一定の防犯性能があると評価した建物部品です。住まいる防犯110番によると、令和8年3月末現在で17種類3,545品目あります。官民合同会議の目録検索システムの区分はドア関係・窓関係・シャッター関係の3つで、塀・柵・門扉の区分はありません。
塀が受け持てるのはどこですか?
主に見通し、足場、門まわりです。警視庁は「接近の制御」に「境界への塀、柵の設置」を挙げ、「道路と敷地の境界線を明確にし、門扉、フェンス等で侵入禁止の意思表示をする」としています。「監視性の確保」では「植木等は剪定し、屋内から外周が外周から敷地内が見通せる環境にする」としています。住まいる防犯110番が塀・柵・垣に求める4つの条件(見通し・乗り越え・すり抜け・足場)と、目隠しとの両立は「目隠し塀と防犯、見通しはどう確保する?」で扱っています。
見通し:窓に人の目を届かせる
住まいる防犯110番は窓の項で「戸建て住宅の場合、窓からの侵入が約6割を占めています」とし、まず見通しを良くしたうえで、防犯性能の高いガラスや補助錠などで守るよう勧めています(年の記載はありません)。侵入者プロファイリングは、下見のチェックポイントに「庭木など死角になるものがあるか」を挙げています。警視庁は「侵入されても周囲から視認できる見通しのよいフェンスを設置するのも有効です」としています。
足場:2階に届く物を減らす
住まいる防犯110番はベランダの項で、足場になるものとして「塀や外階段、車庫・物置の屋根」などを挙げ、庭の項で「庭木やエアコンの室外機などは、2階への足場にならないように留意しましょう」としています。警視庁も「脚立やポリバケツ等は泥棒に侵入の足場にされてしまう可能性があります」としています。塀と2階の窓・ベランダの位置関係と、塀の脇に置く物を確かめます。
門まわり:敷地に簡単に入らせない
住まいる防犯110番は「門には門扉やインターホン等をつけるなどして敷地内へ簡単に出入りできないようにしておきましょう」としています。ただ、一戸建住宅の空き巣で表出入口から入られた1,340件のうち、764件は無締りでした。門扉を付けても、玄関の施錠は別に要ります。
何から順に確かめればよいですか?
まず施錠です。窓・ドアの部品と、塀と敷地まわりは、そのうえで組み合わせます。住まいる防犯110番は無締りを「どんなに強固な防犯対策をとっても、無締りでは意味がありません」としています。警視庁は「ゴミ出しや買い物など、短時間の外出でも必ず戸締りをしましょう。」としています。窓とドアは、補助錠や防犯フィルム、CP部品を検討します。敷地まわりは、住まいる防犯110番が「侵入しにくい防犯環境の整備」に挙げるセンサー付きライト、植栽の剪定、足場になる物の片付けと、塀・柵・垣の見通しを見直します。

M Art Wall は意匠塀の製造・販売元で、施工は各地の取扱店が担っています。目隠しにする面と、格子など見通しを残す部分との組合せは、設計相談で決めます。どんな構成にできるかはお問い合わせください(ご相談は無料です)。
よくある質問
共同住宅でも、窓から入られることが多いですか?
共同住宅では、表出入口が最も多く、窓が次です。統計資料の図表2-2-1-5では、令和7年の空き巣は、3階建以下共同住宅の2,095件のうち表出入口が1,031件、窓が776件、4階建以上共同住宅の1,266件のうち表出入口が822件、窓が290件でした。この記事の侵入口の数字は、一戸建住宅のものです。
防犯性能が認定された塀はありますか?
CP部品の目録には、塀の区分がありません。目録検索システムの区分はドア関係・窓関係・シャッター関係の3つです。塀・柵の設置は、警視庁の防犯環境設計では「接近の制御」に挙げられています。
忍込みも窓から入られていますか?
一戸建住宅では、窓が最も多い侵入口です。統計資料の図表2-2-1-5では、令和7年の一戸建住宅の忍込み4,224件のうち2,670件が窓からで、うち無締りが1,172件、ガラス破りが1,380件でした。住宅対象の忍込みは、図表1-2-4-2で令和6年の4,122件から令和7年は4,784件になっています。
この数字はいつのものですか?
令和7年の数字です。件数と侵入口・侵入手段は警察庁「令和7年の刑法犯に関する統計資料」(令和8年8月)の図表1-2-4-2・2-2-1-5、前年比は住まいる防犯110番によります。住まいる防犯110番の窓の項の「約6割」には、年の記載がありません。
まとめ
住宅をねらう侵入窃盗は令和7年に増え、一戸建住宅の空き巣は窓からが5,006件と最も多く、手段はガラス破りと無締りが上位でした。施錠と窓・ドアの部品は、警察の資料で塀とは別の対策です。塀が受け持てるのは主に見通し、足場、門まわりです。

