傷んだ万年塀をどうするか。進め方は、点検、自治体の窓口で補助の対象か確かめる、業者に依頼する、建て替えを選ぶ、の順です。補助は自治体で違い、撤去で出た板の扱いは廃棄物処理法で決まっています。M Art Wall は塀の製造・販売元で、撤去や工事は請け負いません。
この記事の要点
・補助の対象かは自治体で違います。万年塀を名指しで含める自治体と、「組積造」とだけ書く自治体があり、除外を明示する公式ページは見つかっていません
・業者が撤去して出た板やコンクリートは「事業活動に伴つて生じた廃棄物」で、元請業者の産業廃棄物として処理されます
・建設リサイクル法の届出は、塀では請負代金の額で決まります。一律には決まりません
万年塀の撤去は何から始めますか?
点検、自治体の窓口、業者への依頼、建て替えの選択の順です。この順にするのは、補助の対象になるかが自治体で違うからです。万年塀には国の判定基準が無いので、点検の判断は専門家に見てもらうことになります。

段階 | すること | 根拠になる資料 |
|---|---|---|
1. 点検 | 塀の状態を見る。万年塀を判定する公的な基準は無いので、判断は専門家に | 国の耐震診断基準(対象は補強CB造と組積造) |
2. 窓口 | 自治体の「ブロック塀等」の補助ページで、万年塀が対象か確かめる | 名指しする自治体と、「組積造」とだけ書く自治体がある |
3. 業者 | 撤去を依頼する。出た板やコンクリートは元請業者の産業廃棄物 | 廃棄物処理法2条4項1号・21条の3 |
4. 建て替え | 撤去した範囲に何を建てるか選ぶ。軽いフェンス等の新設を補助する自治体もある | 大阪市・小平市の補助ページ |
補助金は出ますか?
自治体で違います。万年塀を名指しで対象に含める自治体と、「組積造」の語だけで定義していて名指しの無い自治体があります。横浜市は「ブロック塀等」の定義に「石積塀、万年塀その他これらに類する塀」と書き、さいたま市の手引きは「組立式コンクリート塀(万年塀)なども助成対象とします」と書いています。一方、福岡市の定義は「コンクリートブロック造、石造、れんが造その他組積造による塀」で、万年塀の語はありません。万年塀を撤去の対象から明示的に除外する公式ページは、今回の調査では見つかっていません。逆に、どの自治体でも対象になるとも言い切れません。語が無くても、窓口で確かめてください。
九州の自治体はどう書いていますか?
福岡市・北九州市・久留米市・熊本市の4市は、「組積造」または「これらに類するもの」で対象を定義していて、「万年塀」の語はありません。名指しのある自治体と並べます。制度の違いは「佐賀・福岡・熊本のブロック塀補助金、ここが違う」で扱っています。
自治体 | 万年塀の名指し | 定義の抜粋 | 更新日 |
|---|---|---|---|
あり | 「石積塀、万年塀その他これらに類する塀」 | 2026年4月1日 | |
あり | 「鉄筋コンクリート組立塀(万年塀)」 | 2026年6月5日 | |
あり | 「コンクリートブロック塀、万年塀、組積造塀」 | 2026年4月1日 | |
あり | 「組立式コンクリート塀(万年塀)なども助成対象」 | 記載なし(手引き PDF) | |
なし | 「石造、れんが造その他組積造による塀」 | 2026年9月16日 | |
なし | 「石、れんが等による組積造の塀」 | 2026年4月20日 | |
なし | 「石造、れんが造その他の組積造による塀」 | 2026年01月16日 | |
なし | 「レンガ塀、その他これらに類すると認められるもの」 | 2026年4月1日 |
フェンスと混ざった塀はどう扱われますか?
これも自治体で分かれます。福岡市は「フェンスなどとの混用の場合も含む」と書き、熊本市は「残存させたブロック塀等の上にフェンス等を設置することはできません」としています。一部を残してフェンスを載せる案は補助の条件に触れることがあるので、撤去の範囲も窓口で確かめてください。
撤去で出た板やコンクリートは誰の廃棄物ですか?
業者に撤去を依頼した場合、出た板やコンクリートは元請業者の産業廃棄物です。廃棄物処理法2条4項1号は、産業廃棄物を「事業活動に伴つて生じた廃棄物」のうち法と政令が定める種類のものとし、2項はそれ以外を「産業廃棄物以外の廃棄物」、つまり一般廃棄物としています。同法21条の3第1項は、建設工事が「数次の請負によつて行われる場合」に、注文者から直接請け負った「元請業者」を事業者とすると定めています。依頼した側が処分先を探すのではなく、元請業者が処理します。
撤去の作業そのものについては、万年塀の安全に関する国や自治体の資料が見つかりませんでした。この記事に手順を書いていないのは、公的な裏付けを示せないからです。専門業者に任せる理由はここにもあります。
建設リサイクル法の届出は要りますか?
塀の撤去では、届出が要るかどうかは請負代金の額で決まります。一律に要る、要らないとは言えません。同法施行令2条1項4号は「建築物以外のものに係る解体工事又は新築工事等については、その請負代金の額が五百万円であるもの」を規模の基準にしています。塀に床面積はないので、見るのは契約の額です。2項は、同じ業者が契約を二つ以上に分けて請け負う場合も、正当な理由に基づく分割を除き「一の契約で請け負ったものとみなして」基準を当てはめると定めています。該当するかは業者と確かめてください。
万年塀の点検に公的な物差しはありますか?
ありません。国が認定した耐震診断基準の対象は補強コンクリートブロック造の塀と組積造の塀で、万年塀は調査シートの「その他」に入ります。国土交通省と日本建築防災協会の資料が対象にするのは「既存の補強コンクリートブロック造の塀および組積造の塀」で、調査シートの塀の種類は「組積塀」「補強コンクリートブロック(CB)塀」「その他」です。国のチェックポイントも対象は同じ2種類です。合否を決める公的な物差しが無いので、状態の見方は専門家の個別の判断になります。練馬区のように「チェックリスト【万年塀用】」を配る自治体もあります。万年塀の構造は「万年塀とは? ブロック塀との違いと寿命」で扱っています。
撤去のあとは何を選べますか?
選択肢は、何も建てない、フェンスや柵にする、軽い構造の塀に建て替える、の三つです。自治体の補助には、撤去後に建てるものまで対象にするものがあります。大阪市は「補助を受けてブロック塀等を撤去した範囲内で、軽量フェンス等を新設する工事」を対象に挙げ、小平市は「軽量なフェンス等を築造する場合は高さ2メートル以下」としています。東京都も都有施設で「現行法令等に適合しないコンクリートブロック塀、組積造の塀、万年塀」を改修・更新して木の塀や柵にする仕様を示しています。重い塀から軽いものへ、という方向は行政の側にあります。塀かフェンスかの決め方は「塀とフェンス、どちらにする? 法律と目的で決める」で整理しています。
M Art Wall は、発泡素材を芯材にした軽い意匠塀の製造・販売元です。万年塀を撤去したあとに、見通しを遮る塀を軽い構造で建て直す選択肢として検討できます。撤去や工事は請け負いません。どんな意匠にできるかはお問い合わせください(ご相談は無料です)。
よくある質問
万年塀の撤去に補助金は出ますか?
自治体で違います。横浜市・世田谷区・さいたま市などは万年塀を名指しで対象に含め、福岡市・北九州市・久留米市・熊本市は「組積造」の語で定義していて名指しがありません。除外を明示する公式ページは見つかっていないので、窓口で確かめてください。
自治体のページに「万年塀」の語が無いときはどうしますか?
呼び名が違うだけのことがあります。世田谷区は「鉄筋コンクリート組立塀(万年塀)」、名古屋市は「組み立て式コンクリート塀」と書いています。窓口には「鉄筋コンクリートの組立塀」とも伝えてください。
建設リサイクル法の届出は塀の撤去に要りますか?
請負代金の額で決まります。同法施行令2条1項4号は建築物以外の解体工事を契約の額で線引きし、2項は、正当な理由の無い分割は一つとみなすとしています。一律には言えないので、業者と確かめてください。
まとめ
万年塀の撤去は、点検、窓口、業者、建て替えの順です。補助の対象かは自治体で違い、除外を明示する公式ページは見つかっていません。業者が撤去すれば廃棄物は元請業者の産業廃棄物で、届出は請負代金の額で決まります。窓口で確かめてから業者に依頼し、撤去した範囲に何を建てるかを選んでください。

