建築基準法の上限は分かった。それなら建てられるはずだ、と思って進めると、あとから「この区画は1.2mまでです」と言われることがあります。
国の法律とは別に、その土地だけにかかる制限があるためです。ここでは、どこを、どの順で調べればよいのかを手順にしました。
この記事の要点
・建築基準法の上限を満たしていても、その土地だけの制限で建てられないことがある
・調べる順は 都市計画 → 建築協定 → 窓口
・分譲地では建築協定が残っていることがある。売主や管理組合に確かめる
自治体によって塀の高さの決まりは違いますか?
違うことがあります。建築基準法が定める上限は全国共通ですが、それより厳しい制限が地域単位でかかることがあるためです。
厳しくなる方向にだけ働く、と考えておくと分かりやすくなります。国の上限より高く建てられるようになることはありません。

まず何を見ればよいですか?
市区町村の都市計画図です。用途地域と、地区計画の有無を確かめます。
多くの自治体が、都市計画図をウェブで公開しています。「市区町村名 都市計画図」で探すと見つかります。住所を入れると該当区画の情報が出る形式のところも増えました。
ここで見るのは次の2点です。
- 用途地域 … 建蔽率や容積率の上限が分かる。塀そのものへの制限はここではかからない
- 地区計画 … 定められていれば、塀や垣の高さ・構造・色に関する方針が書かれていることがある
建築基準法 第68条の2 は、地区計画の区域内で市町村が条例により建築物に関する制限を定められるとしています。地区計画の「地区整備計画」に垣や柵の構造の制限が入っていると、そこが実際の上限になります。
次に確かめることは?
建築協定です。分譲地では、区画ごとに取り決めが残っていることがあります。
建築基準法 第69条以下が定める仕組みで、土地の所有者どうしが合意して、建築物の敷地・構造・用途・形態・意匠について基準を決められます。塀の高さや材質が具体的に指定されていることも珍しくありません。
調べ先は次のようなところです。
- 分譲時の重要事項説明書・パンフレット
- 自治会や管理組合
- 分譲した不動産事業者
- 市区町村の建築指導の担当課(協定の認可を出している)
それでも分からないときは?
市区町村の建築指導の担当課に聞きます。名称は「建築指導課」「建築課」「都市計画課」など、自治体によって違います。
このとき、次を伝えられると話が早く進みます。
伝えること | なぜ必要か |
|---|---|
住所(地番) | 用途地域・地区計画・協定の区域を特定するため |
塀の高さと長さ | どの規定にかかるかが変わるため |
工法(ブロック造かどうか) | 根拠条文が変わるため |
敷地の高低差の有無 | がけ条例や擁壁の扱いが関わるため |
あわせて、次の3つも聞いておくと後戻りが減ります。
- がけ条例の対象になるか(高低差があるとき)
- 景観計画や景観条例で色・素材の定めがあるか
- 角地で隅切りや見通しの定めがあるか
国の法律の側では何がかかりますか?
工法ごとの仕様規定です。自治体の制限とは別に、こちらは必ずかかります。
工法 | 根拠 | 高さの上限 |
|---|---|---|
補強コンクリートブロック造 | 施行令 第62条の8 | 2.2m |
組積造(レンガ・石など) | 施行令 第61条 | 1.2m |
擁壁(土を留めるもの) | 施行令 第138条・第142条 | 2m超で確認申請 |
制限がある中で意匠を立てる
地区計画や建築協定は、街並みを揃えるためのものです。高さや色に定めがあるとき、選べるのは「その中でどう見せるか」になります。
M Art Wall は発泡素材を芯材にした特殊発泡構造物で、表層の意匠に幅があります。高さが決められている場所でも、素材感や割付で見え方を変えられます。
よくある質問
自治体によって塀の高さの決まりは違いますか?
違うことがあります。建築基準法の上限は全国共通ですが、地区計画や建築協定、条例によって、より厳しい制限が地域単位でかかることがあります。国の上限より高く建てられるようになることはありません。
地区計画はどこで調べられますか?
市区町村の都市計画図で確かめられます。多くの自治体がウェブで公開しており、住所から該当区画の情報を引ける形式のところも増えました。地区整備計画に垣や柵の構造の制限が入っていると、そこが実際の上限になります。
建築協定はどこに聞けばよいですか?
分譲時の重要事項説明書、自治会や管理組合、分譲した不動産事業者、市区町村の建築指導の担当課のいずれかです。協定は市区町村が認可しているため、担当課で区域を確かめられます。
窓口に相談するとき何を持っていけばよいですか?
住所(地番)、建てたい塀の高さと長さ、工法、敷地の高低差の有無を伝えられると話が早く進みます。図面や現地の写真があるとさらに具体的になります。
まとめ
調べる順は次のとおりです。
- 市区町村の都市計画図で、用途地域と地区計画を見る
- 分譲地なら建築協定の有無を確かめる
- 建築指導の担当課で、条例・がけ条例・景観の定めを聞く
- あわせて工法ごとの仕様規定(第62条の8・第61条)を満たす
先に上限を知っておくと、そのあとの意匠の相談がずっと早く進みます。
その土地でどこまでできるか。図面や現地の写真があれば、より具体的にお話しできます。設置できるか・どんな意匠にできるか、まずご相談ください。ご相談は無料です。

