家を建てたあとで、カーポートやサンルームを足したくなることがあります。そのとき気になるのが「後付けでも建築確認申請が要るのか」です。
答えは、建てる場所の区域、増築として扱われたときの家の規模(2階建て以上・延べ面積200㎡超など)、増築などで床面積が10㎡以内に収まるかどうかで分かれます。ここでは建築基準法の条文に当たって、どこで分かれるのかを整理します。
この記事の要点
・屋根と柱で土地に定着するカーポートは、建築基準法 第2条第1号の建築物に当たる
・都市計画区域などの中で建てるなら、規模が小さくても確認申請の対象(同法 第6条第1項第3号)
・区域の外でも、増築として扱われ増築後が2階建て以上や延べ面積200㎡超などになるなら対象(同項第1号・第2号)
・10㎡以内の例外は増築・改築・移転に限られ、防火地域・準防火地域の外だけ(同条第2項)
カーポートは建築基準法の「建築物」ですか?
土地に定着していれば当たります。屋根と柱があるためです。建築物の定義は建築基準法 第2条第1号にあります。
土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱…を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、(略)をいい、建築設備を含むものとする。
「…」で省いたのは、柱と並べて挙げられているもう一つの選択肢です。柱で屋根を支えるカーポートは、省いた部分を読まなくても前段の形に当てはまります。
同条第13号は、建築を「建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転すること」と定めています。カーポートを建てることも、この「建築」に入ります。

どこに建てると確認申請が要りますか?
都市計画区域などの中なら、規模が小さくても対象です。建築基準法 第6条第1項は、確認が要る建築物を3つの号に分けています。
号 | 挙げている建築物 |
|---|---|
第1号 | 別表第一(い)欄の用途の特殊建築物で、その用途の部分の床面積の合計が200㎡を超えるもの |
第2号 | 前号以外で、階数が2以上か、延べ面積が200㎡を超えるもの |
第3号 | 前2号以外で、都市計画区域などの区域内にあるもの |
第3号の区域は、条文では次のとおりです。
都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内
区域の外でも安心はできません。同項は、第1号・第2号の建築物の建築に「増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号又は第二号に規定する規模のものとなる場合を含む」としています。今の家が2階建て以上なら、カーポートが増築として扱われた時点で第2号に当たります(10㎡以内の例外に当たるかは次の節で見ます)。後付けのカーポートを家の増築として扱うかどうかは、市区町村の建築指導の担当課で確かめてください。
後付けなら10㎡以内は申請が要りませんか?
第2項の例外で外れるのは、条件が3つそろったときだけです。建築基準法 第6条第2項は次のように定めています。
前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。
- 防火地域・準防火地域の外であること
- 増築・改築・移転であること(新築は挙がっていません)
- その部分の床面積の合計が10㎡以内であること
後付けのカーポートが増築に当たるか、新築として扱われるかは、担当課で確かめてください。新築なら10㎡以内でもこの例外は使えません。
防火地域・準防火地域の中では、10㎡以内でもこの例外は使えません。第1項のとおりに判断します。
カーポートの床面積はどう数えますか?
条文の文言だけでは決まりません。担当課で確かめるのが確実です。床面積の測り方は、建築基準法施行令 第2条第1項第3号にあります。
建築物の各階又はその一部で…その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。
「…」で省いたのは、周りを囲う部材として挙がっている区画の例です。この号は囲う部材を前提にしていて、周りが開いていて柱だけで屋根を支えるものの測り方を書き分けていません。
もう一つ注意があります。第6条第2項の10㎡は床面積で、建蔽率に使う建築面積とは別の定義です。建蔽率の話は別の記事にまとめました。
確認申請が要らなければ、決まりは無いのですか?
あります。第6条第2項が外しているのは、確認を受ける手続きだけです。条文は「前項の規定は…適用しない」と書いています。
第1項で確認するのは、計画が建築基準関係規定に適合するかどうかです。手続きが要らなくても、建築基準法やそれに基づく命令・条例の規定は変わらずかかります。
申請が要るのに出さずに建てると、どうなりますか?
特定行政庁から是正を命じられることがあります。特定行政庁は、建築主事などを置く市町村では原則その市町村の長、その他では都道府県知事です(同法 第2条第35号。ただし書で知事になる建築物もあります)。建築基準法 第9条第1項は、建築基準法令の規定に違反した建築物について、特定行政庁が建築主や所有者などに命じられる措置を挙げています。
挙がっているのは、工事の施工の停止、相当の猶予期限を付けた除却・移転・改築・増築・修繕・模様替・使用禁止・使用制限などです。確認は「当該工事に着手する前に」受けるものなので、建ててからでは順番が逆になります。
カーポートの横に塀を立てるときは
カーポートと一緒に、目隠しの塀を計画することもあるでしょう。塀は、建築物に附属すれば第2条第1号の「附属する門若しくは塀」として建築物に入ります。塀そのものの確認申請や高さの決まりは、別の記事で条文ごとに整理しています。
M Art Wall は塀の製造・販売元です。カーポートまわりの目隠しの高さや意匠を、敷地の条件に合わせてご提案できます。
よくある質問
サンルームやテラス屋根も同じ考え方ですか?
土地に定着していて屋根と柱などがあれば、建築基準法 第2条第1号の建築物です。確認申請の要否は、カーポートと同じく第6条第1項の区域・規模と、第2項の3つの条件で見ます。
既製品のカーポートなら申請は要りませんか?
第6条には、既製品かどうかで分ける定めはありません。区域と規模、第2項の条件で判断します。
防火地域・準防火地域で10㎡以内ならどうなりますか?
第6条第2項の例外は使えません。第1項の各号に当たれば、確認申請が要ります。
自分の土地が都市計画区域の中か、どこで分かりますか?
市区町村の建築指導や都市計画の担当課で確かめるのが確実です。第3号の区域には、知事などが指定して除く区域もあります。
まとめ
- 屋根と柱で土地に定着するカーポートは建築物(第2条第1号)
- 都市計画区域などの中なら、規模が小さくても確認申請の対象(第6条第1項第3号)
- 区域の外でも、増築後に第1号・第2号の規模になるなら対象になりうる
- 10㎡以内の例外は、防火地域・準防火地域の外での増築・改築・移転だけ(同条第2項)
- 申請が要らなくても、建築基準法令の規定はかかる
後付けのカーポートは、区域、増築として扱うかどうか、床面積の数え方を先に担当課で確かめると迷いません。
カーポートまわりの目隠しを、塀でどこまで立てられるか。図面や現地の写真があれば、より具体的にお話しできます。まずご相談ください。ご相談は無料です。

